終了。


by sakurakura787
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おばあちゃんの家。


a0065222_922370.jpg先日、映画「西の魔女が死んだ」の舞台となった、
清里にある“おばあちゃんの家”へ行ってきた。

大好きな作家・梨木香歩さんのロングセラー作品。
ファンタジー=メルヘンチックな世界、
という誤解のもとで生産された文学作品が多いなか、

梨木さんは、愛する人の死を描きながら、
「私たちの日常、そして人生そのものがファンタジーであり物語なのだ。」
ということに気づかせてくれた。


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のちのち私が、河合隼雄という人の存在を知り、
その著作本を読みあさるきっかけとなったのは、
梨木さんの影響が大きいと思う。

そして、河合隼雄先生が大往生の末に亡くなられた後、
梨木香歩さんを、世に送り出しのが、
実は、河合隼雄先生だったことを知った。


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私にとっては、衝撃の事実だった。

梨木さんは、そもそも処女作であった
「西の魔女が死んだ」を世間に出す気持ちは無く、
ただ、河合隼雄先生にだけ読んでもらいたい、
そして感想を聞きたいと思って送ったそうだ。


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それが、河合隼雄先生の心を揺さぶり、
さらに、親しい児童文学作家の目にとまり、
最終的に、河合先生が、出版社に郵送したことで、
私たちもまた、この作品と出会うこととなったのだ。


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実は、私はまだ映画を観てない。
原作のあの世界観を映像にされてしまうのは、
大切な人が自由を奪われていくのを目の当たりにする、
そんな不安感があり、どうしても足が向かないでいた。



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じゃあ、何で清里まで足を伸ばしたかというと、
夫めめも君がしきりに「清里にあるみたいだよ。」と、
何かにつけて言うものだから、だんだん私も、
「まぁ、せっかく近くまで行くんだし。」
という気持ちになってきたというわけ。

現地に近づくにつれて、やっぱり不安が大きくなり、
「あぁ、もう引き返したい!」という心の葛藤を
何とか誤摩化しながら、とうとう現地に着くと、、



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これはこれで、とても丁寧に、大事に作られたんだな、
ということが、ひしひしと伝わってきた。
それぞれが心に留めている原作の世界観は解放したまま、
注意深く「映画」という表現に集中していることがわかった。


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ここは、中には入れないようになっている。
何でも、人を中に入れるためには「博物館」として
建築強度をはじめとする諸々の条件に合うように、
改修をしなくてはいけなくなるらしい。



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そうなってくると、本来の“おばあちゃんの家”の雰囲気は、
完全に壊れてしまうことになるので、
今のところは、外から中をのぞくカタチで一般開放されている。

私は、是非、2階の“まいの部屋”も見てみたかったけど、
見れなくて良かったのかもしれない。
大事に作られている全体とその周辺、
そして1階の様子からしても、2階の雰囲気を想像するのに
十分イメージをかき立てられるから。



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主演のサチ・パーカーさんは、作品のおばあちゃんというよりも、
梨木さんが師事されているイギリスの児童文学作家の方の
イメージに近いように感じられた。

自然と自分の中で暮らしを営むことのできる繊細さと
たくましさを兼ね備えた女性のイメージにピッタリだと思った。



a0065222_9534745.jpg映画を観るかどうか、まだわからないけれど、
ここは足を運んで良かったと思える場所だった。

女性一人で来ている人も、ちらほら見られて、
「そうそう一人で来たくなるよね。」って思ったし、
ひとりひとりの魂を揺さぶる作品の良さを、
大事に守って作られているところだと思う。

平日に行ったんだけど、
それなりに人が次々と来ていたのが印象的だった。

だけど、観光地の清里は、清泉寮以外は、
実に閑散としていて、
さながら「千と千尋の神隠し」の冒頭に出て来る、
妙な静寂を放つ街のように、
奇妙な雰囲気が漂っていて、怖かった^^;

だって、インターネットで調べて、
立派なホテルの系列レストランに行ってみたら、
定休日では無いはずなのに、誰もいないの。

だけど、ランチメニューの看板は出ていて、
「スタッフに声をかけてください。」とあるので、
あちこち、探しまわったんだけど、

どこも扉は開けっ放し、そして人がいる気配が無い。

何だか「体験工房」みたいなハウスの入口で、
顔色の悪いおじさんが座っていて、
じーっとこちらを見ている。

その横には、ポニーが何頭かつながれてるんだけど、
水も草も無くて、みんな何だか辛そうだし。。。

あきらめて(怖くなって^^;)、
清泉寮に向かうと、だんだんと人間が増えて来て(笑)、
ホーッとしてしまった、本気で。

めめも君が、
「よかったね。危うく豚にされるところだったよね。」
などと、能天気なことを言うので、

「突っ込みどころは、そこかっ!!!」

どこに行ってもペースの変わらない夫に、
ある意味、救われつつ、
清泉寮でまったり過ごしましたとさ。
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by sakurakura787 | 2008-09-28 10:12 | おでかけ